イギリス生活

オンデマンドダンスクラスの作成 by Takeshi Matsumoto

去年の年末からずっと頭の中にあったことがあります。

それはイギリスのエリザベス女王が支援しているダンスカンパニー、ランバートカンパニーでの親子のためのオンデマンドダンスクラスを作り、収録するお仕事です。

 ランバートダンスカンパニーはロックダウンが始まってから、ランバートホームスタジオというオンデマンドのダンスクラスを提供しています。(https://www.rambert.org.uk/join-in/rambert-home-studio/)

 400クラス以上もあるオンラインのクラスですが、親子のクラスがない、との事で2歳から5歳までの子どもとその家族のためのクラスを作るお仕事をいただきました。

 さらにテーマが自分の文化を使って、ということだったので、日本をインスピレーションにクラスを考えていきました。クラスは45分ですが、10クラス考えなくてはいけなく、しかも高いプライドのため、どのクラスも違った色彩よく豊かなバリエーションを持ち込みたかったので、自分の中でのアイデアの絞り込みが年末から始まっていたというわけです。

 10クラスの内容を考えるって結構大変でした。

 真っ先に思いついたのは、折り紙や忍者、ファッションなど。そしてさらに日本のものを、と考えて、花道や茶道も広げていったのですが、クラスとして実現させるには、やっぱり子どもたちが想像できるかどうかに寄ってくるので、あまりにも日本すぎるものは断念。うまい具合にイギリス人の子どもでも知っていて想像できるアイデアで落ち着きました。

 しっかり踊るものから、少し即興的なもの、家にあるモノを使ってからだを動かすアイデアなど、出来上がったら、それぞれのクラスが違って同じものは一つとない結果となりました。

 一つ、挑戦であり、気がついたのは、教えるって一方通行ではないということ。普段子どもと教えている時に、いかに相互的に作用しあって刺激しあっているかを痛感しました。

 対面で教えている時は、参加者が、特に子どもだとからだが動いて、色々とアイデアをいただきます。からだが凄いところはやっぱり動いてしまうところで、滲み出てきた動きをかいつまんでダンスが発生していくことがよくあります。そこが教えていて楽しい部分でもあるんですが、それがオンデマンドだと全く通用しない。スクリーン向こうで見て動いてくれているだろう子どもたちを想像しての教えだったのが、挑戦でした。

 出来上がって、まだまだ続くロックダウン中の子どもたちに届いていってくれる事を願います。